実は女性の方が危険性大?!


過剰になりがち・・・コレステロール

コレステロールは、ある程度は人の体に必要なものです。女性ホルモンや男性ホルモンもコレステロールが材料ですし、食物中の脂肪の消化と吸収を助ける胆汁もコレステロールから作られます。このように人体に不可欠な成分なのですが、現代の食生活では無理なダイエットをしない限り不足することはあまりなく、過剰になりがちです。

男性は常に高脂血症になりやすい

男性の場合、成人以降はつねに高脂血症になりやすく、そのため心疾患を発症する危険性も高いことが分かっています。それに比べ女性は男性よりもコレステロール値が低く、高脂血症になりにくいと言われています。しかし、それは更年期までのことなのです。35〜44歳で男性の半数だった高脂血症の女性の数は、50歳を超えると男性より多くなります。

50歳以降は、女性の方が高脂血症になりやすい

さらに55〜64歳では、女性の高脂血症が男性の2〜3倍、65〜69歳では3〜4倍にもなります。これには、女性ホルモンであるエストロゲンが大きく関わっていると言われています。エストロゲンには、LDL(いわゆる悪玉)コレステロールを抑制し、HDL(いわゆる善玉)コレステロールを増加させて血管を守り、循環器系に作用して血液の流れを改善する働きがあります。

女性ホルモンの減少が原因

更に、エストロゲンには抗酸化作用があり、動脈硬化を引き起こしやすくさせる酸化LDLコレステロールの産生を抑制する働きがあります。男性は一生を通じて女性ホルモンの量は変わりません。一方、更年期以前は大量に放出されていた女性ホルモンのエストロゲンが、更年期以降は急激に減少するため、更年期以降の女性は男性以上に高脂血症になりやすく、高コレステロールにならないように注意する必要があります。

   

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