やっぱり後退?! 医療制度改革


医療制度改革は後退?

昨年より協議が続けられている医療制度改革は、現在、日本医師会の発言力が強いといわれている「中央社会保険医療協議会(中医協)」で具体的な話し合いがされています。当初政府側が描いた改革案より、その内容は徐々に後退しているようです。

支払明細は希望者のみ?

例えば支払明細について、全ての患者に対し支払明細を渡すことが医療機関に義務化されることが検討されていました。これにより、患者は自分自身が受けた診療内容とその費用がきちんと分かるのです。現在は「希望患者には渡すよう努力する」という内容が検討されています。現状、支払明細(レセプト)を伝えられているのは健康保険側だけです。患者側からもチェック出来た方が、請求ミスや水増し請求などの防止に役立つと思われます(楽14号「医療機関の電子化は進む?」参照)。

レセプトのオンライン化も進まず

その他、「レセプトのオンライン請求」も、全ての医療機関に義務付ける方向でしたが、現在は「患者数が少ない医療機関は紙請求でよい」という案が浮上しています。元々レセプトの電子化自体が骨抜きになる可能性も危惧されていましたが、更に「電子化自体が進まない」という事態になりそうです(楽14号「レセプト電子化は骨抜き」参照)。

ジェネリックもベッド数規制も・・

更には、「割安な後発品(ジェネリック医薬品)についても、現行書式と新書式から医師が選ぶ形に(楽15号「ジェネリック医薬品は促進される?」参照)、「ベッド数の上限規制」(楽16号「ベッド多すぎ、入院長すぎ・・」参照)についても、既存の医療機関には適用されず、「新設の診療所にだけ適用」という後退した内容が検討されています。

  


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