禁煙治療に保険適用


喫煙による様々な健康への悪影響

以前のコラムでも紹介していますが、タバコの健康への悪影響は、肺がんや妊婦の喫煙などに限らず、心臓病、歯周病など様々なものがあります。現在10年連続で喫煙率が下がっているなど、徐々に喫煙による健康被害への意識は高まっているようです。

辞めたくても辞められない人が多い

ただし、それでも喫煙者の7割はニコチン依存症で、そのうちの7割が禁煙を試みながら失敗しているというデータからも分かる通り、「禁煙したいけれども出来ない」人はかなりいます。こうした現状から、来年4月から医師による禁煙指導を治療として認めるという方針が打ち出されました。

来年4月から禁煙治療に保険適用

欧米では、すでにニコチン依存症を「繰り返し治療することで完治しうる慢性疾患」と考える動きが広がっており、英国などでは1999年から禁煙治療を保険対象としています。日本では、今までも医師による禁煙指導を受けることは可能でしたが、その場合は保険対象外のため全額患者負担で1ヶ月あたり3〜4万円かかるため、なかなか医師にかかってまで治そうという人も少なかったのです。

禁煙で将来の医療費削減を期待

来年4月からは禁煙治療プログラムを受けたいと希望する人で、ニコチン依存度テストで「依存症」と判定された人には、治療を保険適用で受けることが出来るようになります。喫煙率が低下することにより、肺がんや心臓病などの生活習慣病患者を減らすことが出来、15年後の医療費を約1800億円減らすことが出来るのではないかと期待されています。

  


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