最も診断可能なアルツハイマー型への期待
最も多いアルツハイマー型

認知症のなかで最も多いアルツハイマー型の認知症には、MCI段階での対応に特に期待が寄せられています。一般的な検査で異常が分かるのは、認知機能の低下がある程度進んでからですが、アルツハイマー病によるMCIは他の型に比べて、早い段階からの診断が可能だからです。

原因物質を検出する検査

アルツハイマー病では脳内にアミロイドβやタウタンパクが老廃物として溜まり始めます。アミロイドβは脳の神経細胞が働く際に生じる老廃物ですが、通常は分解されて脳内から流れ出ていきます。しかし、除去機能が衰えるとアミロイドβが凝集し沈着して、神経細胞の働きが低下します。認知機能の明らかな低下がみられなくても「アミロイドPET検査」によって、アミロイドβが脳内にどの程度溜まっているか、画像化して調べられます。

「脳脊髄液検査」

タウタンパクは脳に必要な物質ですが、リン酸化して変質すると神経細胞内に溜まりやすくなります。リン酸化タウが神経細胞内にたまり、神経細胞の変性が生じ始めると、神経細胞が破壊されて脳脊髄液内にリン酸化タウが増えます。「脳脊髄液検査」によって、脳と脊髄の周りを流れる脳脊髄液に含まれるリン酸化タウの量を調べて、脳内での溜まり具合を推測できます。

新しいタイプの薬

こうした検査でこれまでより早期にアルツハイマー型認知症のリスクが分かれは、神経細胞を減らす前に対処できるようになります。今ある抗認知症薬は、残っている神経細胞の働きを高め、症状を改善させる対症薬です。一方、新しいタイプの治療薬は脳内のアミロイドβを除去することで神経細胞への沈着を阻止し、神経細胞の変性を起こりにくくします。MCIがアルツハイマー病によるものと分かれば、従来の抗認知症薬とは異なる効き方で、進行を抑えることが可能になるのです。

    

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