「空白の世代」が要注意 ーはしか(麻疹)ー
昔の病ではない

過去の病気と思われがちな「はしか(麻疹)」ですが、現在も国内外で感染者が出ています。はしかは麻疹ウイルスによる急性感染症で、空気感染、飛沫感染、接触感染のいずれでも感染します。他のウイルスと比べて特徴的なのが空気感染で、同じ空間にいるだけで感染する可能性があります。

最強の感染力

はしかは感染症の中でも最強クラスの感染力があり、1人の感染者から免疫のない集団で平均12~18人に感染させるとされています。インフルエンザが1~3人、新型コロナウイルスが2~2.5人なので、麻疹はインフルエンザやコロナウイルスの6~10倍と次元の異なる感染力を持っているのです。しかも、麻疹ウイルスは空気中に最大2時間浮遊するため、感染者がいなくなった部屋に入っただけでも感染する可能性があります。

合併症率も高い

「はしかは誰でもかかる軽い病気」と考える人も多いでしょうが、それは大きな誤解です。麻疹は感染者の約30%に合併症を引き起こし、その疾患も重篤な中耳炎、肺炎、脳炎などであり、麻疹の入院率は約40%にのぼります。そのため、先進国においても麻疹感染者の千人に1~2人が死亡するとされています。「たかがはしか」と軽視できる病気ではないのです。

免疫不十分な世代

「空白の世代」が存在することも問題です。日本における麻疹ワクチンの制度は時代とともに変遷し、生まれ年によって接種回数が異なります。1972年9月以前生まれの人には定期接種がありませんでしたが、自然感染で免疫を獲得している人が多数を占めます。1972年10月~1990年4月生まれの人は接種が1回のみで、免疫不十分の可能性が高く、この世代が「空白世代」と呼ばれます。それ以降の世代は、追加接種も含めて2回接種している世代となります。ワクチン接種が一番の予防策ですので、接種歴が不明な人や1回のみ接種の人は、追加接種を検討しましょう。

    

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