中年期と高齢期の違い −食事で大切なことー
中年期の注意

中年期には、健康診断でメタボと診断されて食事の注意点を指導される人も多かったでしょう。その注意点とは「高脂肪の食事を避ける」ことと「過食によるエネルギーの摂り過ぎに注意する」ことです。このことが食への考え方や習慣に残ってしまい、高齢になった時に、なるべく低脂肪で低カロリーの食事をする人がいます。

高齢期の注意

しかし、高齢期に気にすべきことは、「タンパク質や脂質をしっかり摂る」ことと「小食によるエネルギー不足に注意する」ことです。このために必要な食品が、肉や魚、乳製品といった動物性たんぱく質です。高齢になると、タンパク質は大豆や大豆食品の豆腐などから多く摂ろうとしがちです。しかし、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質は1対1の割合で摂るのが良く、植物性たんぱく質に偏ると、筋肉の材料が不足する可能性があります。

動物性たんぱく質の欠点

ただし、肉を食べると胃もたれや胸やけを起こしやすいと悩む高齢者も多いでしょう。食事量が減ったり胸やけを起こしたりする最大の原因は消化不良です。通常は食事で摂った食べ物は胃で溶かされて、小腸に送られて消化されて吸収されます。しかし、何らかの理由で食べた物が長く胃に留まり続けると、胃もたれが起こります。胃もたれが気になって食欲が落ちて、より肉を食べたくなくなるという悪循環に陥ります。

タンパク質分解酵素を含む食品と

このような場合、タンパク質分解酵素を多く含む食材を組み合わせて料理しましょう。分解酵素の働きで消化がスムーズになり、胃腸の負担を軽減します。おすすめは、大根、タマネギ、にんにく、しょうが、特に「大根おろし」です。大根にはアミラーゼやプロテアーゼなど複数の分解酵素が含まれ、おろした状態だと肉全体に行き渡って消化しやすくなります。蒸す、煮る、電子レンジ加熱などで脂分を減らす調理法にすることもコツです。

    

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