65才を過ぎたら…肥満よりやせ型が注意
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近年の調査により、少し肥満気味の方が長生きしやすく、認知症にもなりにくいことが分かってきました。ただし、小太りが良いといっても、筋肉もきちんとついていること、内臓脂肪ではなく皮下脂肪がついていることが大切です。筋肉が少なく体脂肪率が高い状態はサルコペニア肥満と呼ばれ、不健康な状態なのです。
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サルコペニアとは、筋肉の質や量が低下して日常の動作がしづらくなる状態です。こうした筋肉量の低下と同時進行して、内臓脂肪の蓄積も起こっている場合がサルコペニア肥満です。筋肉が少ないためにエネルギー消費量が落ち、余ったエネルギーが内臓脂肪としてさらに蓄積される、という悪循環が続きます。サルコペニア肥満を予防するには筋肉をふやすことが一番です。主食を1割減らして、その分だけ肉や卵をより食べましょう。絶対にやっていけないのは、糖質や脂質を必要以上に減らすことです。
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やせ型の人は、高度な肥満の人と同じくらい死亡リスクが高くなっています。やせ型の人の死亡リスクが高いのは低栄養の可能性が高いと考えられています。低栄養とは生きるために必要な栄養素が十分に摂れていない状態をいい、現在65才以上の女性の5人に1人が低栄養と言われています。低栄養の状態が長く続くと、不足している栄養素を「いまある体内の組織」から奪って補給しようと筋肉や骨から栄養が溶け出し、体が弱っていくのです。
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70才以上では健康に暮らしている人でも、50代の頃に比べて15%も食事量が減っています。高齢者の低栄養に関してはタンパク質や脂質の欠乏が問題視されています。高齢になるとあっさりしたものを好むようになり、肉や脂っこいものを避けるようになります。さらに食事量自体が減少するため、体の材料となるタンパク質やエネルギーとなる脂質等、生きるために必要な栄養素が不足するのです。
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