空気中に水分が多い 「湿度が高い」問題

熱中症リスク上がる

雨が多い梅雨の特徴の1つが「空気中に水分が多い」こと、つまり湿度が高いことです。その湿度の高さが熱中症のリスクを大きく上げます。気温が高くても湿度が低ければ、汗をかくことで熱が奪われて、体温を上手にコントロールできます。

発汗しにくい

その気温が体温よりも低ければ、皮膚から空気中へ熱が移りやすく体温の上昇を抑えることができます。しかし、気温が体温より高くなると、空気中への熱の放出が難しくなるため、体温調節は発汗だけに頼ることになります。さらに、気温が高いだけでなく湿度も高いとなると、空気中への熱の放出が難しくなり汗をかいてもほとんど蒸発せず、発汗による体温調節ができなくなります。

暑さ指数

湿度の影響力を分かりやすく示しているのが「暑さ指数」と呼ばれる指標です。これは人間の熱バランスに影響の大きい『気温・湿度・輻射熱』の3つを取り入れた温度の指標です。熱中症の危険度を判断する数値として環境省が発表しています。3つの要素である『気温:湿度:輻射熱』は、その影響割合を「1:7:2」で計算します。つまり、湿度の影響が7割を占めているわけで、それだけ湿度の影響は大きいと言えます。
※輻射熱:地面・建物・体から出る熱で、温度が高いものからは多く出る

自宅で注意

たとえ気温がそれほどでなくても、湿度が高すぎる場合は汗がでにくくなって、熱中症の危険が高まります。熱中症といえば炎天下で激しいスポーツをしている時に起こりやすいと思いがちですが、直接日光に当たらない室内でも熱中症を起こすこともあります。熱中症で救急搬送された人の約4割が自宅などの室内にいた時に熱中症になっています。体温調節するための発汗機能が低い高齢者や乳幼児などは、特に注意が必要です。例えば、エアコンをつけて車を走らせていても、後部座席の幼児が熱中症になったという事例もあるほどです。

   

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