早歩きはすごい!「血管新生と筋力低下防止」
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血管の総延長は約10万km、日本の鉄道路線全長の約4倍にもなる長さですが、その90%は毛細血管です。毛細血管の働きがとても重要なのは、抹消組織に酸素や栄養を供給し、老廃物を回収する役割を担っているからです。
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毛細血管には血管新生という現象があり、その現象が起こる原因は色々ありますが、運動がその1つです。運動することによって2週間ほどで毛細血管が新たに作られます。筋肉を収縮させて酸素供給量が増えると、既存の毛細血管だけでは賄えないからです。20分ほどの早歩きを週に3回行うことを習慣化すると、2週間くらいで体が楽になり疲れにくくなります。まずは2週間、つまり6回の早歩きを試してみましょう。毛細血管が新生して、酸素の供給効率が良くなるはずです。ただし、せっかく早歩きによって増えた毛細血管も、運動を辞めれば消えてしまうので、長く続けられるよう習慣化することが大切です。
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早歩きを習慣化すると他にも良い面があり、例えば、下半身の筋肉の衰えを予防できたりします。運動不足の状態だと、30代になると筋肉は年1%の割合で減っていきます。特に衰えやすいのが下半身の筋肉なのです。足腰が弱体化すると歩くスピードは遅くなります。筋肉が減ると血液を巡らせるポンプ作用が落ちるし、血管の状態を左右する血圧や血糖値の状況も悪化して、血管の老化が進みます。早く歩くことができる人は、筋力低下を防ぐこともできているのです。
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週3回の早歩きは大変すぎるという人でも、少ない運動量で効果を出せることがあります。例えば、1週間に計30分の有酸素運動かストレッチを続けただけで、8週間で血圧が下がったという研究があります。血圧への効果以外にも、善玉コレステロールが増えたり、高い血糖値を下げたりできたという検証もあります。足を動かすという動作は、たとえ少しであっても良い効果を生むようです。
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