避けられない月経と更年期…対策は?
避けて通れない「更年期」

月経以外に女性に多い健康トラブルは「更年期障害」でしょう。女性ホルモンの分泌量は30代後半から徐々に減り始め、やがて閉経にいたります。日本人の閉経年齢はおよそ50歳でその前後の10年間に、顔のほてり、息切れや動悸、頭痛・めまい・吐き気、イライラ感や憂うつ感などの不定愁訴が多岐にわたり起こります。

不調のまま我慢している人も

にもかかわらず、更年期障害と思われる症状のために医療機関を訪れる人は更年期人口の10%程度にとどまっています。不調となっているのが更年期障害かどうかもはっきりせず、わざわざ受診してみようという人が少ないのが現実です。市販薬やサプリメント、食生活や運動習慣など対策は色々とありますが、効果の度合いや本人との適性が分かりにくいのが難点です。

大きな社会的損失

こうしたことを背景に、最近では女性に対する検診内容を追加したり、検査費用の補助に取り組んだりする企業が増えています。じつはこれまでの企業の健康診断は、中高年男性に多いメタボリックシンドローム対策などに重点が置かれていました。しかし、月経痛などによる仕事の生産性低下は年間4900億円もの損失を生みだしていると試算されています。さらに、不妊治療や更年期障害を理由として転職や退職をする女性が多く、そのため人材不足に陥る企業が増えているという現実もあるのです。

自宅採取のキットも

例えば、自宅でわずかな血液を採って送ることで、身体が妊娠しやすい状態かどうかの目安がわかるキットがあります。女性の卵子は産まれた時が最多で年齢とともに減ります。卵子の残数の指標となるホルモンがあり、血液検査でそうしたホルモン数値を簡便に調べられるのです。こうしたことを調べて、自身の状態をきちんと知ることでライフプランを具体的に考えやすくなります。そして、それは雇っている会社にとっても良いことなのです。

    

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