小さい男性からフェムテックへ 〜女性の健康〜
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毎年3月8日は国際女性デーです。この日は世界中で女性たちの功績を祝福し、ジェンダー平等について考える日です。さらに日本では毎年3月1日から8日までを「女性の健康週間」とし、女性が生涯を通して健康で明るく、充実した日々を自立して過ごせるよう、女性の健康づくりについて考える機会としています。
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1980年代まで医療はほぼ男女の性差を考慮せずに行なわれてきました。生殖機能に関しては男性と女性に大きな違いがあるとされてきましたが、そうしたことと関わりのないほとんどの病気は、発症の仕組み・予防法・治療法などに、男女の違いはないと考えられてきたのです。女性は「小さい男性」と位置づけられ、体格の差を考慮して女性には薬の投薬量を男性より少なめにするといった程度のことしか行われてきませんでした。
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1990年代から男性と女性の違いに注目した「性差医療」が進展するようになり、同じ病気でも男性と女性では発症や進行に差がでたり、同じ治療を受けても異なった結果が生じたりすることが分かっています。また、男性と女性では病気の発症メカニズムだけでなく、効果的な予防法もかなり異なることが最近の研究で明らかになっています。そうした違いを生み出す重要なカギを握っているのはホルモンであり、男性と女性それぞれが持つ、男性ホルモンと女性ホルモンの違いなのです。
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最近では女性の体と心をトータルに診る「女性外来」が多く見られるようになりました。こうした状況からさらに一歩進んだものがフェムテックです。フェムテックは、female(女性)とtechnology(科学技術)とをつなげた造語です。女性の健康問題を解決するために開発されたテクノロジーのことを意味し、2010年代になって造られた言葉です。フェムテックはさらに、医療が今まであまり気にしてこなかった「快適さ」という部分にも着目しています。
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