千年以上前から日本食を支える 〜麹菌〜
日本食の特色の1つ

日本食に特色をもたらしているものの1つに麹があります。麹とは蒸した穀類に麹菌を加えて繁殖させたもので、それにより美味しい発酵食品が生み出されます。日本酒、みそ、しょうゆ、みりんなど日本で古くから使われてきた調味料は、ほとんど麹を使ったもので、昔から日本の食を支えている存在です。

麹菌は千年以上前から

平安時代には麹菌を販売する商店が存在していて、灰を使って麹菌だけを取り出す技術もあったようで、日本ではこの頃から麹菌を使って発酵させる食品を日常的に食べていました。カビを用いた発酵食品は東アジアから東南アジアなどにもありますが、麹菌を使うのは日本だけです。日本は昔から途切れることなく麹菌を育て守ってきたのです。

甘酒の効果

その麹菌を手軽に摂れるのが甘酒です。江戸時代から庶民の滋養強壮の飲み物として親しまれてきました。甘酒に含まれるブトウ糖は、麹菌によって分解されているため、効率よく体内にエネルギー源として吸収できます。アミノ酸、ビタミンB群、ミネラルなどが豊富に含まれ、「飲む点滴」と呼ばれるほどです。また、食物繊維やオリゴ糖も豊富に含まれ、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整え、便秘予防に役立っています。さらに、ビタミンB群によって血行が促進され、肌を活性化させる効果が期待されます。

アルコール…あり?なし?

ちなみに、子どもにも飲めるのが米麹タイプの甘酒です。麹の発酵作用を利用して米から作るもので、健康や美容に良いとされてここ数年よく話題に上がるようになっていますが、こちらにはアルコールは入っていません。もう1つのタイプはまさに酒粕から作るもので、酒粕を水で溶いて砂糖で甘みを加えたものになります。酒粕も麹から作られるので麹の効果は得られますが、アルコールが苦手な人は注意しましょう。

    

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