揉みほぐすこと…そのものが心に良い効果

心にイイ!

足、手、頭など体のさまざまな部位を揉むと、色々と健康に良いことは確かですが、部位に関係なく揉むことそのものが心に良い影響を与えるのです。「触れ合い」は心身をいやす方法として、長年先人の知恵として受け継がれてきました。

「愛情ホルモン」オキシトシン

そのことが現代では科学的にも証明され始めています。人の手で背中を優しく揉まれると、15分間の施術で血液中のオキシトシン量が増加することが確認されました。オキシトシンは愛情ホルモンと呼ばれ、やすらぎ感をもたらしたり、ストレスを減らしたりする働きがあります。さらに、オキシトシンが分泌されるに伴い、神経伝達物質であるセロトニンやドーパミンがより多く分泌され、さらなるストレス緩和につながります。ちなみに、速さは1秒間に5センチほど進む、かなりゆっくりとした動きが良いことも分かっています。

免疫力も上げる

触れ合うことによって、サイトカインという免疫系を活性化させる物質が産生されることも分かってきています。つまり、肌に触れる「揉む」という行為は、免疫機能にもよい影響を及ぼすのです。また、背中や手を撫でるだけで不安や抑うつが低下するとの研究結果が出ています。こうした効果は自分で自分の体をほぐすセルフ揉みでも得られますし、じつはマッサージをする人の方がマッサージを受ける人よりも効果が高いことも分かっています。

高齢者ほど

皮膚は触覚や温度などを感知して脳に伝える最大の感覚器官で、「第二の脳」と言われるほどです。そうした感知をする神経の中で注目したいのが「C触覚線維」と呼ばれるもので、心とのつながりが特に深いと言われる神経線維です。興味深いのは、一般的に人間の五感は加齢に伴って鈍くなりますが、C触覚線維による心地よさは年齢を重ねるごとに鋭くなる特徴があることです。ということは、高齢者ほどスキンシップは大切と言えるのです。

    

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