100年以上も使われている! ―心電図―

開発は100年以上前

心電図は1903年に考案されて以来100年以上にわたって、現在でも廃れることなく使用されています。心臓は拍動すると同時に電気が流れるので、その電気を波形として記録したものが心電図です。現在、病院で行われる心電図検査は12誘導心電図といい、1枚の心電図記録には12種類の波形が記録されます。

便利でリスクが少ない

心電図検査は、採血検査やレントゲンとならび、病院での診察や健康診断の際に施行される頻度が高い検査です。現在でも重宝されている理由は、痛みや放射線被ばくなどの大きな負担を患者にかけることなく実施できる上、すぐに波形記録を確認できて、しかも得られる情報量が多いからでしょう。しかし、心電図検査のみでは心臓の状態や病気のことが全て分かるわけではありません。

心電図で見つけやすい異常

心臓は規則正しく動いている臓器ですが、それは心臓で規則的に電気が発生して流れているからです。規則正しい動きをしているところに乱れが図として現れることで、心電図は病気を発見するために分かりやすく有用な検査と言えるのです。ですから、心臓の規則正しさが乱れる不整脈の診断は、心電図検査の最も得意とする領域です。さらに、心筋梗塞狭心症発作も心臓の電気的活動に異常が生じるので、異常波形が出現します。

弁膜症は発見しづらい

しかし、心電図検査だけでは見つけることが難しい心臓病もあります。例えば、弁という心臓内の構造物の働きが悪くなっている弁膜症は、だいぶ進行してからでないと心電図波形に変化が見られないことが一般的です。また、狭心症や不整脈は発作が起きた時でないと心電図の波形に変化が見られないこともあるので、測定時の心電図が正常だからといって心臓病がないとは言い切れません。一度検査して大丈夫だったからといって、過信せずに定期的に健康診断などで心電図検査を受け、違和感があれば専門の病院で診断を受けましょう。

    

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