なぜそんなに腸をケアした方が良いの?

消化器官というだけではない

腸のケアがなぜ大切かといえば、いまや腸は食べ物を消化し吸収して排泄するだけの器官ではないからです。最近の研究によって腸は体全体に大きな影響を与えることが分かってきました。腸の内部には膨大な数の細菌がいてさまざまな働きをしています。その4つめの役割として免疫機能があります。

免疫機能の要

腸には全身の免疫細胞の70%が存在すると言われています。腸は免疫機能の要なのです。腸内に良い細菌が増えると、病原菌やウイルスを排除するための強力な免疫機能が備わり、インフルエンザや風邪などの感染症や食中毒などの病原菌に対抗でき、それだけでなく、花粉症やアトピー性皮膚炎といったアレルギーなどとも関係が深いと分かってきています。例えば、免疫力を高めるためR―1乳酸菌、花粉症などのアレルギーに効くL―92乳酸菌など、最近は個々の菌の効きめを特定する研究もすすんでいます。

脳との相関関係

最近さらにもう1つ重要な働きが分かってきました。それが脳との関係です。腸の神経細胞の数はおよそ1億以上あり、脊髄や末梢神経系より多くなっています。そして、腸は脳と約2千本の神経線維でつながっています。しかも腸は、脳から独立した状態で自らの判断で機能して、脳からの信号を待つことなく、消化・吸収・排泄などの重要な機能を果たしていることが分かりました。

腸には独自の神経ネットワーク

脳が全身の機能を支配していて腸はすべて脳から指令を受けていると、以前は思われていました。ところが近年、腸には独自の神経ネットワークが発達し、脳の指令が無くても腸自身で腸の活動を調整できるし、逆に、感知したさまざまな情報を処理して脳へ伝達することもあることが分かってきました。さらに最新の研究において、腸から脳に送られる情報には、腸にすみつく微生物の存在が大きく影響することも明らかになりつつあります。

    

マガジン表紙へ