ABO血液型 〜感染症との過去、腸菌との未来〜

感染症との関係

ABO型の血液型が発見されたのが1900年のことでした。それから日本では性格診断として血液型が流行した時代もありました。性格診断には科学的根拠がないと思われますが、血液型と感染症との関連は科学的に証明され始めています。

血液型の違いは?

血液型がA・B・AB・Oに分かれる理由は糖鎖の構造の違いです。糖鎖とは赤血球表面の細胞膜にある単糖が鎖状に連なる物質です。A型にはA抗原が、B型にはB抗原があり、AB型はA抗原B抗原の両方があり、O型はいずれの抗原も持たないのです。さらに、A型は抗B抗体、B型は抗A抗体を持つので、A型の人にB型の輸血をすると、A型の人の体内の抗B抗体が輸血されたB型赤血球を壊すため、A型⇔B型間の輸血はできないのです。

地域によって多い血液型が違う

最初にできた血液型はA型で、A型が突然変異したのがB型、A型が壊れてできたのがO型と言われています。アフリカと南欧にはO型が多く、これは中世にマラリアが流行った影響があると言われています。つまり、O型は他の血液型に比べてマラリアに強いのです。そして、さまざまな感染症の影響を受けにくかった北欧には、もともとの血液型であるA型が多いのです。さらに、本来であれば淘汰されたであろうB型がインドに多いのは、ガンジス川流域を起源として大流行を引き起こしたコレラにB型遺伝子が強いからと推測されます。

腸内菌との関係

ABO血液型の物質は、じつは赤血球表面以外にも見られます。例えば腸内常在菌は、胃腸の細胞表面にあるタンパク質や糖鎖を足がかりにあらゆる部分にすみつきます。実際に血液型により腸内細菌の種類や傾向が異なることが分かっています。血液型を認識する乳酸菌が見つかってその効果が実証されれば、血液型別の乳酸菌を使った商品が将来販売されるかもしれません。

    

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