パーキンソン病にも効果あり?! 〜音楽療法〜

音楽を聴くと…

ヘッドホンで大音量を長時間聴くことは耳に良くないですが、正しい方法で音楽を聴くことは体に良いことです。まず、免疫力が上がる可能性が指摘されています。さまざまな種類の音楽で試されましたが、音楽の種類に関係なく、音楽を聴いた後に体温が上がったことが確認されました。

体温が上がると…

音楽を聴くと副交感神経が刺激され血管が拡張して血流が良くなり、身体深部の温かな血液が末端まで早く流れたと考えられます。体温が上昇するとリンパ球など免疫細胞の機能が高まり、免疫力が上がると考えられるのです。実際に唾液を採取して分析したところ、免疫が高まっていることが確認されました。また、音楽を聴く前と後でアンケートを行ったところ、抑うつや不安などネガティヴ気分が低減され、快い気分が増したと確認されました。

パーキンソン病にも

音楽の特性を活用して治療に活かす音楽療法は少しずつ研究が進み、実際に活用される機会も増えています。今注目されているのは、パーキンソン病の音楽療法です。パーキンソン病では、さまざまな動作をつなげるための脳機能に障害がみられることがあり、足がすくむ、転倒しやすくなるなどの症状があります。そのような患者に対してリズムのある音を刺激として、リズムを取って動けるように訓練する音楽療法があります。この療法により、歩幅が広くなって歩きやすくなる効果が期待できます。

他にもいろいろ

音楽療法は認知症の症状緩和や改善にも有効とみられています。認知症の症状の一環として起こりうる暴力や抑うつなどの行動を改善する効果が期待されています。音楽は情動に働きかけ、興奮を静める効果があるからです。また、心臓疾患による手術を受ける人が手術の前後に音楽療法を施すと、手術後の不安や痛みが軽減するといった研究報告もあります。

    

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