ちょっとした動きや呼吸で…大きな健康効果

エコノミークラス症候群

震災の関連疾患として問題となるのがエコノミークラス症候群です。避難所や車などで長時間同じ姿勢をとり続けていると、起こしやすくなる疾患です。脚の静脈に血栓ができて、その一部を肺動脈に詰まらせてしまうのです。場合によっては呼吸困難で命を落とすこともある危険な症状です。

予防のちょっとした動き

予防には狭いところで行なえるちょっとした動きによって身体をほぐすのが一番です。震災時だけでなく、普段の生活でも血行改善に役立つのでぜひ覚えておきましょう。まずは手先と手首です。手のひらを開いたり閉じたり、手首を回したりしましょう。次に足先や足首です。指を開いたり足首を回したり、足裏を包み込むように指圧しましょう。さらに、ふくらはぎを反対側の足の甲でポンポンと軽くたたいたり、ヒザ裏を伸ばしたりもおススメです。

深い呼吸で落ち着こう

ちょっとしたことで健康に役立つものとして、次は呼吸です。深い呼吸をすることは体にとっても良いことですが、特に大切な役割は心に関すること、不安を取り除くことです。意識して深い呼吸をすることで副交感神経の働きを強めて、それによって不安を和らげるのです。深い呼吸をするためには、時間をかけてしっかりと息を吐ききることがポイントです。自然と肋骨とお腹の境目にある横隔膜が広がって、息を深く吸い込むことができます。

不安による悪影響

ぼんやりとした不安は体にさまざまな悪影響を与えます。例えば、常に何らかの不安を感じている人は脳の海馬が小さくなる現象が認められます。海馬は新しい記憶や学習などに関わる器官です。つまり、不安を感じることによって記憶力や学習能力が低下するのです。ゆっくりと大きな呼吸をする以外にも、不安な気持ちを解消するには不安な気持ちを正しく把握することが必要です。不安な気持ちを言葉にしたり、信頼している人に話したり、日記などに書き出すなど、不安なことを言語化することでストレスを和らげることができます。

    

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