証明され始めた「定期的に立つ」ことのスゴさ

逆に考えると…

ここまで「座り続けることは不健康である」と述べてきました。では逆に「座ることを中断して立つ」動きをすれば、つまり「何分間に一度は立つ」ことを実行すれば、本当に健康的なのでしょうか。それについての研究や実験も最近は多くなっています。

研究で「良い」と確認

例えば「5時間続けて座り続ける」と「20分ごとに立ち上がって少し歩く」のグループを比べると、食後の血糖値が10〜20%ほど違ったそうです。座位時間や立ち上がる頻度の条件が多少違っていても、一定時間ごとに立つグループの多くが血糖値が下がるという結果を示しています。さらに、血圧や中性脂肪濃度についても、定期的に立つグループの数値は良かったのです。

ガンや脳にも良い可能性

血流との因果関係は推測しやすく、調査が当初から行われてきました。最近ではそれ以外の研究も行われています。例えばガンについてオランダの調査で、1日の座位時間が2時間以内だと、6〜8時間の人に比べ結腸ガンのリスクが30%以上低いことが示されました。脳についても、全身の血流が良くなることで脳の血流量も上がり、脳に良い影響を与えると考えられています。

座っている時でもできる…効果的なこと

どうしても座ったままでいなければならない時もあります。そうした時にできる動きを知っておくとさらに良いでしょう。例えば、かかと上げです。1秒でかかとを上げ1秒かけて下ろしましょう。また、片方の足を伸ばして膝の高さまで上げるという動きも効果的です。2秒で上げて2秒で下ろすくらいのゆっくりした動きが効果的です。現代人は手間のかかることを楽にしようとするうちに体を弱らせてしまった面があります。だとしたら、その逆のことをすれば良いのです。座り過ぎを意識して立つようにするだけで改善できるのです。

    

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