異変に気づこう! 放置しちゃだめ! −難聴―

認知症の最大リスク

あまり関連を気にされてこなかったのですが、最近聴力は認知症発症リスクとして注目されています。聴力低下いわゆる難聴は認知症発症の最大リスク因子とされて、中年期に難聴になると認知症リスクは2倍に跳ね上がります。その時期に難聴になる人がいなかったら、認知症患者を10%近く減らせるとさえ推計されています。

情報のインプット量が減る

難聴によって脳に伝わる音の情報が少なくなると、そのぶん脳が使われなくなり、脳の萎縮をもたらします。脳への情報のインプット量が減るという意味では、視力低下も大きな影響力がありますが、視力は眼鏡などで矯正するなど、多くの人がきちんと対策します。それに比べて聴力は、自覚があっても放っておいてしまいがちな上、周囲の人間も気がつきにくいのです。

衰えは40代から

年齢を重ねると脳は萎縮する傾向がありますが、難聴の高齢者ほどそれが強く現れます。難聴は聴覚の問題にとどまらず、心身の健康リスクが高まることが明らかなのです。脳の各部位は互いに連携しながら機能しているため、音声言語を処理する部位の体積が減少すると、脳全体を悪化させるようです。聴力の衰えは40代から始まっています。医療機関などで定期的にチェックし、聞こえが悪くなったら早めに対処することが大切です。

若年層で深刻「イヤホン難聴」

40代よりさらに若年層の人たちも難聴の危険にさらされています。近年、携帯型音楽プレーヤーやスマートフォンなどによる音響性難聴、いわゆる「イヤホン難聴」が急激に増加しています。イヤホン難聴はじわじわと進行し、少しずつ両方の耳の聞こえが悪くなっていくため、初期は難聴が自覚しにくいのです。80デシベルで1週間当たり40時間以上聞き続けると、難聴の危険があります。耳が詰まった感じや耳鳴りを伴う場合もあり、重症化すると聴力の回復が難しいので、若い時分から耳は大切にしなければなりません。

    

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