若年層でも起こりやすくなっている 「腱鞘炎」

以前は50代以降に多かった

肩痛や腰痛と同じように、以前は50代以降の人が多かったのに、最近は若い世代に増えている痛みが「腱鞘炎」です。腱鞘炎は手や指の酷使が原因であることが多いですが、女性ホルモンの乱れで手がむくみやすくなることも原因の1つなので、これまで発症する人は50代以上が多かったのです。

原因は…PCと携帯

腱鞘炎の症状は、「指の付け根が痛くなる」、「手や指がだるくなる」、「指の動きが鈍くなる」、「手が腫れてくる」、「指を曲げ伸ばしするとカクカクと動く」などが挙げられます。こうした症状の一番の原因はパソコンと携帯(スマホ)の普及と言われています。英国の調査ですが、約400万人がメールの使い過ぎで指の痛みに苦しんでいるとの結果が出ています。

軽いうちに対処しよう

腱鞘炎は症状が進んでしまうと、ステロイド系の薬を注射したり、手術を受けたりしなければなりません。症状が軽いうちに気がつくことができれば、指を使うことを意識的に減らしたり、炎症を抑える内服薬を飲んだりすることで、悪化を防ぐことができて治癒するまでの時間も短くて済みます。ですから、腱鞘炎っぽい症状を感じたら、すぐに指をいたわり、指を酷使しないことが大切です。また、普段から「指を50分間使ったら10分休ませる」、「指を曲げ伸ばすストレッチをする」といった予防策をすることも大切です。

他の病気と区別しにくい

腱鞘炎は他の病気と区別がつきにくい場合もあります。例えば、手首周りの小さな骨が骨折していることがあり得ます。また、リウマチなどの関節炎でも、腱鞘炎と同じような症状になることがあります。関節リウマチは高齢者の病気と思われがちですが、実は30〜50代に発症が多く、免疫異常で身体が自分の組織を攻撃する自己免疫疾患です。痛みが収まらないようなら早めに整形外科などの専門医を受診しましょう。

    

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