痛みを出さないためにはどうする? 〜五十肩〜
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ある日突然に上半身に起こる代表的な痛みといえば、激痛とともに肩が動かなくなる「五十肩」でしょう。その原因は肩関節の周りの炎症であり、医学的には「肩関節周囲炎」と呼ばれます。加齢やスポーツで肩を酷使し、腱板と呼ばれる部位が繰り返し傷つくと、肩関節の周辺に炎症が起こってしまうのです。
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40代後半から50代で発症することが多いので、通称「五十肩」と呼ばれますが、最近では40代前半や30代で発症するケースもあります。発症には冷えも大きく関係しています。肩が冷えると肩関節周辺の血管や筋肉が収縮します。そのように筋肉が硬くなった状態で、遠くにある物を取ろうと無理に腕を伸ばすなどで、普段あまり行なわない動作をすると、肩関節に強い炎症を起こすことがあります。寒い冬に起きやすいですが、実は冷房で体を冷やしがちな夏にも起きやすいのです。
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若年層にも肩の炎症を起こす人が増えているのは、運動不足によって身体全体の動きに滑らかさが失われている人が多くなっているからです。例えば、手を伸ばして物を取ろうとします。その時に身体全体を物の方へ向けるのではなく、腕だけを動かして取ろうとする人がいます。すると、肩の筋肉の一部に過度に負担がかかり、硬くなっている関節や筋肉に炎症が起きやすくなるのです。
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痛みを出さないためには、動きの不自然さに気づくことが大切ですが、肩の動きは自分から見えにくいため、動きに異常があっても気づきにくいのが難点です。鏡を使ってチェックすると良いでしょう。例えば、真っ直ぐ胸を張って立ち、左右の肩が同じ高さであるか、腕を上げてバンザイをして左右の腕の角度が同じであるか、などを確認しましょう。こうしたチェックは、肩の異常に気づくきっかけになるほか、肩の動きを保つトレーニングにもなります。
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