飲み会が増えると…肝臓の負担も増える?

肝臓の解毒作用

肝臓は多くの機能を司っていますが、特に大切なのが解毒機能です。腸から吸収した栄養分はまず肝臓に入ります。ここで身体にとって不要、つまり毒となるものを分別して、身体の外へ排出します。毒として肝臓で扱われ、解毒されるものの代表がアルコールです。

処理できる量は意外と少ない

ですから、「アルコールを飲み過ぎると肝臓に負担をかける」と言われるのです。肝臓のアルコール分解能力は1時間に約6〜8g、ビールでコップ1杯くらいです。一晩に処理できる量は、ビールなら大瓶2本、日本酒なら2合ほどです。その量を超えたら次の日を休肝日にするなど、肝臓に配慮しないと肝臓に負担がかかり過ぎてしまうのです。

さらに処理能力が低い人も

アルコールが体内で分解されるとアセトアルデヒドという物質になります。そのアセトアルデヒドの分解能力は、人によって大きな違いがあります。この違いにより、「アルコールに強い人」「アルコールに弱い人」「アルコールに全く弱い人」に分かれます。特に人種的に大きな違いがあり、アセトアルデヒドを分解する酵素がしっかり正常に働く「アルコールに強い」タイプは、白人と黒人ではほぼ100%であるのに対し、日本人(モンゴロイド)は56%しかいません。

日本人に多い:アルコールに弱いタイプ

体質的に日本人は「アルコールに弱い人」が半数近くもいるのです。そのうちの4%は、アセトアルデヒドを分解する酵素がほとんど働かない「アルコールに全く弱い」タイプ、つまりアルコールを飲むとすぐに気持ち悪くなるタイプです。それ以外は、アセトアルデヒドを分解する酵素が正常の16分の1しか働かない、つまり「アルコールに弱い」タイプです。じつは、こうしたお酒の強さに関しては、日本国内でも地方によって違いがあります。「アセトアルデヒド不活性型」、いわゆる「アルコールに弱い人」は、中部地方や近畿地方で高い割合となっています。

   

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