無理なくできる「ぶらぶら」ウォーキングとは?

歩きすぎて不健康に?

ウォーキングはもともと有酸素運動として注目されました。20分以上歩かなければ脂肪燃焼の効果はないため、効果を上げたいならば、長い時間歩いたほうが良いと言われてきました。しかし、毎日1万歩以上歩くことを習慣にしている人のなかでも、健康を害する人が出てきています。

無理は良くない

その一番の理由は歩き方の悪さです。良くない歩き方をするとヒザや股関節に過剰に負担がかかり、そこに痛みがでるようになります。そのことで、かえって外出しなくなるなど、ウォーキングが悪影響を与えるケースがあります。また、高齢者は歩いたほうが良いのですが、1万歩など長い距離を歩く体力は無いと最初からあきらめてしまう人も多かったのです。しかし最近では、無理をしないウォーキングの良さが注目され始めています。

歩くと脳を使う

歩くという動作をする時には、全身の筋肉が複雑に関わっています。そのため歩いている時には、脳は筋肉の活動や関節の角度などの情報を常にモニターし、リアルタイムに情報を取り入れながら処理し、体の微調整を行っているのです。また、視覚や聴覚などの五感から得られる感覚情報の処理も行っています。実際に調べてみると、歩くことによって脳の前頭前野と呼ばれる部位が活発に活動することが分かってきています。

認知症予防に効果あり?

脳の前頭前野が活発になることによって、記憶力が上がる、脳の処理レベルが上がる、快感が得られるなど、さまざまな良い影響があります。ウォーキングが脳を活性化させる良い影響として最も期待されることは、高齢者の認知症予防に役立つかもしれないという点です。今のところ研究途中な部分が多いですが、少なくともウォーキングは認知症予防に対して良い影響がありそうと考えられています。例えば、1日4千歩の習慣がある高齢者は、ほとんど歩かない人に比べて認知症リスクが25%低下すると示したデータなどがあります。

    

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