うつ予防に効果? 春の旬食材「タケノコ」

栄養がないと考えられていた

春になると多くの種類の旬野菜がでてきますが、その中の代表的な食材の1つがタケノコです。タケノコは元々栄養的に何もなく、香りや歯触りを楽しむ食材という扱いでした。しかし最近は、さまざまな栄養が含まれていることが分かってきました。その注目の栄養素が「チロシン」です。

「チロシン」とは?

チロシンは必須アミノ酸の一種で、ドーパミンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の原料となり、やる気や集中力に関わる物質です。最近の研究で、うつ病の時に脳内のチロシン濃度が低下していることが明らかになり、チロシンにはうつ症状の改善効果があるのではと期待されているほどです。料理としておススメなのはタケノコご飯です。ブドウ糖と組み合わせることによって、効率よく脳にパワーを送りこめるからです。

海藻と食べると効果的

海藻と一緒に食べるのもおススメです。例えば、ワカメとタケノコを煮物にすれば、タケノコの成分であるチロシンと海藻の成分であるヨードをまとめて摂れて、チロシンとヨードが合成されて甲状腺ホルモンの材料となります。甲状腺ホルモンが不足すると体の代謝が正常に行われなくなり、集中力の低下やむくみ、動脈硬化やコレステロール値の上昇を引き起こすので、甲状腺ホルモンは不足しないように気をつけるべき栄養素です。

「アスパラギン酸」

タケノコにはアスパラギン酸というアミノ酸も含まれています。アスパラギンは筋肉や内臓をつくるタンパク質合成に使われます。また、疲労物質である乳酸の生成を抑制し、疲労回復やスタミナを向上させる働きが期待できます。また、アスパラギンは有害なアンモニアを外に排出する働きもあります。塩分の排出を促すカリウムもタケノコには多く含まれているので、さまざまな意味でタケノコは体の浄化に役立つ食材です。

   

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