ストレス軽減のカギ ―温かさに触れるー

心の健康こそ大切

健康というのは身体だけに当てはまるものではありません。むしろ現代社会においては、心の健康こそ大切かもしれません。心の健康に最も良くないものがストレスです。ストレスが続いている時は、脳内の扁桃体が興奮しっぱなしになっています。

ハグで不安を軽減

そのような時に不安を抑えたり痛みを軽減したりするのに効果があるのがハグ、つまり抱きしめてもらうことです。数分間ハグをしてもらうと、その触覚が脳に伝わり、視床下部からオキシトシンというホルモンが分泌されます。このホルモンがストレスを和らげます。オキシトシンは体の痛みを改善したり、自律神経の働きを整えて不眠や胃腸障害を改善したりする作用もあります。また、精神安定に欠かせない神経伝達物質のセロトニン分泌や、やる気を起こさせるドーパミン分泌を促すような作用があることも分かってきています。

犬でも声でも…

実はこの「触れ合う」「抱きしめる」という効果は人と人に限定されません。犬と触れ合うだけでもオキシトシンを増加させることが分かっています。また、実際に触れていなくても、好きな人や信頼できる人の声を聞くだけでもオキシトシンが分泌されることが分かっています。そして、電話で話をしながら抱き枕を抱いていると、より効果が高くなるようです。

お湯の温かさでも…

さらには人との触れ合いがなくても、入浴によってオキシトシンが出るのが分かっています。温かいお湯が肌に触れることで脳に快適な感覚刺激が伝えられます。また、入浴でホッとすることによる心理的な刺激が視床下部に伝えられます。この両面の刺激によって、オキシトシンの分泌が促進されるのです。全身を湯に浸けなくても手浴だけでも効果があります。ストレスが溜まっていると自覚するときは、手だけでもお湯で温めると良いでしょう。

    

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