歯が少ない人が10人に1人もいる…不思議

実は多い!歯が少ない人

「永久歯は親知らずを除くと28本に決まっている」と考える人が多いでしょう。しかし最近は永久歯の数が少ない人が増えています。本来あるべき永久歯がないので「永久歯先天性欠如歯」と呼ばれます。あまり聞いたことがない名でとても珍しいと思いがちですが、実は10人に1人という高い割合で存在しています。

その原因は?

原因は遺伝の可能性も指摘されています。永久歯の発育を妨げる感染、薬剤、栄養障害、外傷など環境的な要因が影響しているとも言われますが、原因がはっきり分かっていないのが現状です。また、近年増加傾向にあるという研究結果も出ています。永久歯数の減少は進化現象によるもので、顔はそしゃく器官の退化によって小さくなりつつあり、これに同調して歯も小さくなり、歯数の減少につながっていると考える人類学者もいます。

乳歯が残ってしまう

乳歯はあごの骨の中で育ってくる永久歯の歯胚に押されるかたちで歯の根が吸収されて短くなり、やがて抜け落ちます。しかし、永久歯が先天的に欠如していると、大人になっても永久歯が生えるべき場所に乳歯が残ったままになります。乳歯が残っても、咬み合わせとして機能する分には問題ありませんが、乳歯は永久歯よりエナメル質や象牙質が薄くて、歯の根も短いため、長持ちせずに二十歳前後で抜けてしまいます。抜けた後そのままにしていると、周辺の歯が動いたり倒れこんだりして、歯並びや咬み合わせを崩す要因となります。

気になったら歯科医でチェック

ですので、将来的には何かしらの治療が必要となります。適正なタイミングで乳歯を抜歯して矯正治療を行う、もしくは、なるべく長く乳歯を使い、脱落したら人工の歯で補うなど、早く発見できればその分治療の選択肢が増えます。乳歯がいつまでも残っている場合は、このような可能性があることも心に留めておき、歯科医でチェックしてもらいましょう。

    

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