認知症発症の最大リスク! ー聴力低下ー

論文で発表

認知症の発症リスク要因として、最近注目されているのが「聴力」です。今まであまり認知症と結びつかず、重要視されなかったのですが、2017年発表の論文で、聴力低下いわゆる難聴が認知症発症の最大のリスク因子と示されました。

社会的孤立にもつながる

45〜65才までに難聴になると、認知症リスクは2倍近くに跳ね上がります。その時期に難聴になる人がいなければ、認知症になる人を8%減らせると推計されています。実際の生活を想像してみても・・・耳が聞こえにくくなると、人と話す機会が減ります。さらに耳が聞こえにくくなったことを他人に知られたくないと思うと、外に出る機会すら減っていきます。そうして社会と隔絶した孤立状態になること自体もまた、認知症のリスク要因となるのです。

脳の情報量が減ると・・・

難聴によって脳に伝わる音の情報が少なくなると、そのぶん脳が使われなくなり、脳の萎縮をもたらします。脳への情報量が減るという意味では視力低下も大きな影響がありますが、視力は眼鏡などで矯正するのが当たり前となっていて、多くの人が対策するので、今のところ認知症リスク因子として挙げられていないのです。放っておいてしまいがちな聴力は、視力と同じくらい早期から気を配って欲しいところです。

眼鏡と同じように補聴器を

聴力の衰えは40代から始まっています。年を取って聴力が衰えてきたと感じたら、なるべく早く補聴器などの対策を取りましょう。自分に合った補聴器を見つけて、うまく調整できるまでには時間がかかるからです。また、テレビや音楽を大音量で聴くことや、騒音のあるところに長時間いるのは耳に良くないので、この点は若いうちから注意しましょう。そして、定期的に聴力検査を受けて、聞こえが悪くなったら早めに対処することが大切です。

    

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