意外に知らない・・・認知症の基礎知識

会議で宣言「アルツハイマーデー」

1994年9月21日スコットランドで国際アルツハイマー病協会国際会議が開催され、「世界アルツハイマーデー」が宣言されました。毎年この日を中心に認知症の啓蒙活動が世界中で行なわれています。さらに日本では9月を「アルツハイマー月間」と定めて、さまざまな取り組みが行なわれています。

イメージカラーはオレンジ

アルツハイマーデーやその前後に、日本の色々なところでオレンジのライトアップが見られます。オレンジが日本の認知症支援を象徴する色になっているからです。脳血管型やレビ―小体型など認知症にはいくつか種類がありますが、最も症例の多いタイプは全体の60%以上を占めるアルツハイマー型認知症です。

対応が難しい理由

認知症の人への対応が難しいのは、症状が人それぞれに異なり、また1人の人であっても、接する人や日時によって大きく変わってくるからです。その理由として、認知症の症状には、本人の性格や環境の変化などが加わって起こる周辺症状があるからです。ちなみに、認知症の人に必ず見られる中核症状とは、脳の神経細胞の破壊によって起こる症状で、代表的な症状は「記憶障害」です。また、筋道を立てた思考ができなくなる「判断力の低下」、時間や場所、名前などが分からなくなる「見当識障害」があります。

人によって異なる周辺状況

周辺症状とは脳の障害により生じる精神症状や行動異常をいいます。具体的には、妄想や抑うつなどの精神症状と、徘徊、興奮、攻撃、暴力などの行動異常が見られます。このような症状は脳の障害を背景にしていても、その人の性格、環境、人間関係などが絡み合って起きるものです。そのため、認知症によって起こる症状が人によってかなり異なるため、系統立てた理論としてマニュアル化するのは困難なのです。

   

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