熱中症対策に知っておこう 「手のひら冷却」

手のひらを冷やすと・・・

今年の夏は多くの人が熱中症のリスクにさらされています。熱中症対策の1つとして最近注目されているのが「手のひら冷却」です。手のひらは両手を合わせてもその体表面積は全体の5%しかありませんが、手のひらを冷やすと身体全体が冷えやすくなる秘密があります。それがAVAという血管です。

AVAとは?

手のひらには毛細血管も含めてたくさんの血管が通っています。動脈と静脈の両方が通っていて、この動脈と静脈の切り替え部分がAVA、動静脈吻合(どうじょうみゃくふんごう)と呼ばれて、体温調節の役割を果たしています。熱い血を手のひらに流して、体内の熱を手のひらから空気中に逃がしているのです。空気中に手のひらをさらしているだけでも熱は逃げていきますが、手のひらを冷たいものと接触させることで、体温を早く下げやすくする効果があるのです。

血液量がとても多い

このAVAを通っている血液量は毛細血管の約1万倍と言われています。猛暑で体温が上がって血管拡張して血液量が増えている時に、たくさんの血液が流れているAVAの部分を冷やすと、大量の血液を一気に冷やすことができて効率よく体温を下げられるのです。ちなみに、手のひらだけでなく足裏にも同じようにAVAが存在しているので、足裏を冷やすことでも同じような効果が得られます。

15度以下では冷やせない

AVAを冷やすには約15度が最適と言われています。夏の水道水はそれより水温が高いので、少し保冷剤や氷を足した方が良いかもしれません。しかし水が冷たすぎてもAVAが冷えに反応してしまい、逆に血管が収縮して熱を発散しにくくなります。また、手のひら冷却は熱中症予防に一定の効果はありますが、それだけをやっても熱中症を予防できるわけではありません。必ず基本的な対策も合わせて行なうことが大切です。

   

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