弥生人に学ぶ ―赤米とアゴの強さー

主食は赤米

歴史書には弥生時代の日本人は「長生きであった」という記述が残っています。弥生時代の日本人は、現代の私たちが思っているよりも、ずっと健康で長生きだったのかもしれません。その要因の1つは当時の主食である赤米で、その栄養価は現代の白米よりかなり栄養価が高いのです。

圧倒的な栄養価とタンニン

具体的には、食物繊維8倍、カルシウム4倍、マグネシウム4倍、カリウム3倍もの栄養成分が含まれています。赤米の米ぬか部分にはタンニンという成分が含まれていて、それが赤色と渋みの素です。タンニンはポリフェノールの一種で、血糖値の改善、血圧の低下、コレステロール値の低下など、生活習慣病の予防や改善を期待できる成分なのです。

大きな歯と頑丈なアゴ

身体的特徴からも弥生人が健康であったことが分かります。遺跡から発掘された弥生人の頭蓋骨は現代人と比べて大きな歯と頑丈なアゴが特徴です。時代とともに変化し、江戸時代には弥生人に比べてかなり顔が狭くなっています。それも上流階級ほど顔が華奢になっていて、理由として考えられるのは食べ物が軟らかくなったことです。現代では国民全体として顔が華奢に、特にアゴが細い人が多くなっています。弥生人の主食であったイノシシの肉焼きと現代人の好むハンバーグの噛む様子を比較した実験では、イノシシ肉の方が、噛む力も2倍、噛む回数も2倍かかることが分かりました。

アゴ周辺を鍛えよう

私たちのアゴは弥生人よりも退化しています。硬いものを食べるのはアゴを鍛えるのに良いですが、大人になってからでは今さらアゴは大きくはなりません。それよりもアゴ周辺の筋肉を鍛える「あ・い・う・べ・体操」がオススメです。「あ」は舌骨の筋肉を、「い」は横に引っ張る筋肉を、「う」は唇の周りの筋肉を、「べ」は舌の筋肉を鍛えます。10回1セット、1日3セットを目標にしましょう。

   

マガジン表紙へ