「めまい」が起こるのは・・・なぜ?
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体を平衡に保つには「目から入る情報」「重力や回転などを感知した耳からの情報」「自身の体の動きを感知する足裏の感覚」、この3つの情報が必要です。これらの情報を小脳が統合し、頭と目の動きを制御して、体のバランスをとっているのです。このうちのどれか1つでも調子が悪くなれば、体の平衡機能が乱れます。
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この乱れがめまいとなって表れます。中でも多いのは「耳からの情報」に問題が生じるケースです。耳の中の内耳と呼ばれる部位には、聞こえの感覚器である「蝸牛」と、「三半規管」と「前庭」というバランスに関係するところがあります。めまいの症例としてほぼ半数をしめるのが、前庭に一時的に障害が起こる「良性発作性頭位めまい症」です。繰り返しやすいのが厄介ですが、そのままにしておいても2〜4週間で治ることも多いです。
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内耳の「卵形(らんけい)のう」という器官内には炭酸カルシウムでできた「耳石」があり、頭の傾きに応じて耳石が動くと「傾いている」という信号が脳に送られます。耳石は常に代謝していて、はがれた細かいカスが卵形のうにたまっていきます。これが何かの拍子で三半規管の中に入り込んでしまうと、三半規管内のリンパ液の流れが誘発され、実際には頭は動いていないのに、内耳から「動いている」という信号が脳に送られてしまうことで、めまいが起きるのです。
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めまいはたいてい10〜20秒ほどで治まるケースが多いですが、症状にはさまざまなパターンがあります。というのも、浮遊している耳石が三半規管のどこに入り込むか、または入り込んだ後の耳石の動きによって、めまいを誘発する動きや、めまいの継続時間が異なってくるからです。ちなみに、最も入り込みやすいのは後半規管ですが、これは人が横たわると後半規管が卵形のうよりも低くなるためです。
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