保存しやすさだけではない・・・乾物のスゴさとは?

古くからある乾物

乾物とは、天日干しなどにより食材に含まれる水分を蒸発させて作った食品です。乾物の歴史はとても古く、縄文時代や弥生時代からすでに活用されていたと言われています。昔の人たちは知恵を絞って、日光や焚き火などで食材の水分を飛ばし、気温や湿度に左右されない乾物を作ったのです。

種類が豊富な乾物

乾燥わかめや干しシイタケなどがよく使われている食材ですが、他にもたくさんの種類があります。切り干し大根、高野豆腐などはお総菜として、干し柿やドライトマトなどは乾燥野菜やドライフルーツとして、スーパーなどで手軽に購入できるでしょう。また、お麩やかんぴょうなどは昔からある乾物ですし、蕎麦やそうめんなどの麺類もじつは乾物です。

うま味と栄養価が上がる

元々は保存期間を長くするために作られた乾物ですが、食材を乾燥させることによって他にも色々と良い面が出てきます。まず、食材の水分を蒸発させることによって、うま味がギュッと凝縮されます。例えば、酸味の強いトマトを乾燥させると甘みが増して食べやすくなります。そして、食材にも依りますが、天日干しすることで食材に含まれる栄養素が変化して栄養価が高まります。

例えば、干しシイタケや切り干し大根

例えば、生シイタケに含まれている骨粗しょう症予防に効果的な成分は、紫外線を浴びるとビタミンDに変化します。これにより、干しシイタケは生シイタケと比べて栄養価が2倍になります。また、切り干し大根は乾燥することでかなり栄養価が高くなります。生の大根に比べて、カルシウムは約20倍、水溶性の食物繊維が約6倍、不溶性の食物繊維ではなんと20倍にも増えます。さらに、貧血予防などに効果のある鉄分は30倍以上にもなるのです。

   

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