出汁は組み合わせると・・・効果は数倍に?!

うま味の食材いろいろ

出汁を取る食材で思い浮かぶのは、カツオ節、昆布、シイタケでしょう。これらの食材はうま味の素になる成分がそれぞれ違います。カツオ節に含まれるうま味はイノシン酸、昆布に含まれているうま味はグルタミン酸です。そして、干しシイタケに含まれているのはグアニル酸です。

イノシン酸とグルタミン酸

イノシン酸は主に動物性の食材にたくさん含まれています。最近関東でも人気となっているアゴだしもこれに該当します。アゴとは九州地方などで呼ばれているトビウオの別名です。魚以外にも肉類にもイノシン酸は含まれているのです。一方、グルタミン酸を含む食材は昆布以外にも、トマトやタマネギなどがあります。うま味というと和食のイメージが強いですが、洋食からもこれらの食材を使ってうま味成分を摂れるのです。

干しシイタケのすごさ

グアニル酸はほぼ干しシイタケにしか含まれていないうま味成分です。海苔やドライトマトにも含まれますが、含有量の多さを考えれば干しシイタケが飛び抜けて多いのです。ちなみに生シイタケには、グアニル酸ではなくグルタミン酸が含まれています。同じシイタケでも、生シイタケにはグアニル酸は含まれておらず、干すことによって初めてグアニル酸が生成されます。それに加えて、生シイタケに元々含まれているグルタミン酸も干すことによって15倍にも増えるのです。

あわせ出汁は・・・さらにスゴイ!

うま味の成分は単独で使うよりも、グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸などを組み合わせることで強くなります。これがうま味の相乗効果と言われ、場合によっては7倍も違うほど相乗効果は大きいのです。栄養素で考えても、カツオだしにはタンパク質、ビタミンD、コラーゲンなどが含まれ、一方、昆布だしはミネラルが豊富で、2つの出汁を合わせると栄養的にもバラエティに富んだものを摂れるのです。

    

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