不整脈と動悸は…きちんと知って正しく恐れる

不整脈は回路の不具合

「脈」とは、心臓から押し出される血液の拍動が血管に伝わって感じられるものです。もし、心臓のリズムに異常が起きれば脈は乱れます。そのリズムは何によってコントロールされているかというと、これが電気なのです。心臓は筋肉でできた臓器で、その筋肉にかすかな電気が流れて興奮し、動く仕組みになっています。つまり不整脈は心臓そのものというよりは、そこに行きつくまでの回路で不具合が起こっていることも多いのです。

不整脈は…

数十秒から数分の間に脈が速くなるけれども、脈拍数は1分間に120を超えず、徐々にまた通常の脈に戻る場合は、病的な不整脈でないケースが多いです。ストレス、睡眠不足、疲労などでもこのような症状は起こりえます。心臓が悪いのではないかと不安になり、その不安が興奮を増加させて息をし過ぎて過呼吸になる人もいます。心配しすぎで不安を大きくさせて症状を悪化させることもあるのです。

心配な動悸

動悸は胸の痛みがともなう場合は、急性心筋梗塞や狭心症の可能性もあり、リスクの高い動悸と言えます。また、動悸とともに呼吸困難やふらつきをともなう場合は、エコノミー症候群など肺の血管が詰まる肺塞栓症の可能性もあるので、これも緊急の治療を要することがあります。

原因が分からないケースも多い

しかし、むしろ心臓疾患が原因でない動悸のほうが多いことも知っておきましょう。更年期障害、甲状腺機能亢進症、ぜんそく発作、食中毒などの場合もあります。心臓疾患のみならず、さまざまな病気の可能性を考えて検査をしても、原因が分からない場合もあります。結論的に「精神的ストレスによるもの」としか説明できないケースもかなり多いのです。

    

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