災害時の備えは、自宅避難を意識しよう
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自然災害において一番大きい被害は建物の崩壊や浸水で、自宅から逃げなければいけない状況でしょう。そうした場合を想定して非常用持出袋を準備している人は多いようです。しかし、災害が起こった際に陥る可能性が高いのは、ライフラインが停止している状態で自宅に何日間もこもることです。
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2011年の記憶から防災の対策を考えてしまいがちですが、震災が起こった後の対応は10年前と今では政策での違いがあります。現在は職場などで被災した場合は、その場で3日間ほどは滞留することが推奨されています。ですから、ふだん自分がいることが多い場所、自宅や職場でライフラインがない中で、どのようにサバイバルするかを考えておくことが大切なのです。
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水や食べ物の準備、さらに暑さ寒さへの対策もできていれば、倒壊の危険が無いかぎり、避難所に行かずに慣れた場所で過ごすことができます。高齢者を抱えている家庭にとっては、これはとても大切なことです。人は加齢にともない、身体に備わる「目新しい環境に馴染むための適応能力」が低下すると言われています。新しい環境に適応するためには、視覚や知覚の機能、記憶力や思考力など、より高次な脳機能を必要とします。高齢者はこれらの機能が衰退する傾向があるのです。
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また、体温調節機能の衰えから暑さ・寒さに適応できず体調を崩しやすく、高齢者は避難所のような過酷な環境では若い人より気力や体力を保つことが難しいのです。さらに、疲労や低栄養な状態が続き、精神的なストレスも重なると、心身に思った以上のダメージを与えます。こうしたことにより、避難所生活を送った高齢者は要介護状態に陥る率が通常より高いことが分かっています。
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