聞いたことありますか? ―ファシアー


最近できた新語

「ファシア」という言葉を聞いたことがない方もいるでしょう。それもそのはず、これは最近できた言葉なのです。ラテン語で包帯をあらわすと言われるこの言葉は、私たちの健康に大きく関わっています。全身のさまざまな血管、内臓、骨などを膜のように覆っているものです。

あらゆるものを「つつむ」「はさむ」

色々な部位の組織と組織の間、もしくは組織を包み込むような形でファシアは存在しています。心臓を包んでいる膜、胃を包んでいる膜などあらゆるものを包むものがファシアです。全身のさまざまな部位にあって身体の組織を支えているので、第二の骨格とも言える組織です。以前「筋膜リリース」という言葉がよく聞かれましたが、じつは筋膜は「筋肉に存在するファシア」を指しています。筋膜はファシアの一部分を表している言葉なのです。

皮膚と脂肪、脂肪と筋肉の間に

身体のほとんどの部位にあるために、かえって分かりにくくて想像しにくいかもしれません。そこでまずは、一番身近な部位、肩周りのコリとファシアの関係を説明してみましょう。人の表面を覆っているのは皮膚ですが、その下には脂肪があり、さらにその下には筋肉があります。皮膚と脂肪の間、脂肪と筋肉の間にそれぞれ網(ネット)のような膜としてファシアが広範囲に存在しています。

ファシアが硬くなると

肩周りの動きを考えてみると、肩を動かして筋肉や皮膚が引っぱられたときに、ファシアが伸びて身体を滑らかに動かしてくれるのです。ですから、ファシアは身体の動きをなめらかにするために欠かせないものであり、身体の柔軟性に関わるものなのです。動かしていないとファシアは硬くなってしまい、それが身体のさまざまな部位でのコリにつながっています。

   

マガジン表紙へ