ストレスとマスクでリスク増す? 「過呼吸」
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コロナ禍でマスクの生活が日常となっています。マスクをしても通常と同じように呼吸はできますが、その時はその状態でも楽に呼吸しやすい口呼吸になりやすくなります。ただし、口呼吸は浅くて速い呼吸になりがちで、それによって、過呼吸(過換気症候群)を引き起こすリスクが上がります。
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過換気症候群とは、不安や緊張などから息を何回も激しく吸ったり吐いたりする過呼吸の状態になり、血液中の二酸化炭素(CO2)濃度が低くなることでさまざまな症状が出るものです。息をしにくい、呼吸が速くなる、胸が痛い、めまい、動悸などの症状があらわれます。血液がアルカリ性に傾いて血管が収縮し、手足のしびれや筋肉のけいれんが起きる場合もあります。
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以前は過呼吸の対処法のひとつとして、紙袋を口にあてて呼吸をし、自分が吐き出した二酸化炭素を取り込む「ペーパーバック法」が知られていました。しかしこの方法は、血液中の酸素濃度が低くなりすぎたり、二酸化炭素の濃度が過度に上昇したりする可能性があるため要注意です。酸素が脳に十分いかないリスクもあるのです。
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過呼吸はほとんどの場合、時間がたつと自然に落ち着きます。ですから、慌てずに呼吸を整え、特にゆっくり息を吐くことを意識しましょう。息苦しさを感じ始めた段階でアメをなめるなどして注意をそらすのもひとつの方法です。腹式呼吸に近づけるため、座って前かがみの姿勢を取ったり、うつぶせに寝たりするのもおすすめです。精神的なストレスが背景にあることが多いですが、身体の病気が原因でなることもあるので、初めて発症したときや持病がある場合はきちんと病院で受診しましょう。
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