コロナで性格や言動が変わる…その危険性
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新型コロナウイルスの流行が長期化する中、普段は穏やかな人が急に怒りっぽくなるなど性格や言動が変容したとの報告が相次いでいるそうです。そのような「ふだんのその人らしくない言動」があらわれ、それに周囲が困惑している状況を分かりやすく説明するために、ある医師が1つの言葉を作りました。
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それが「新型コロナ感染症が誘発する精神状態の変化」を意味する英語、「Coronavirus−induced altered mental status」の頭文字をとって、「CIAMS(シャムズ)」と名付けられました。シャムズがなぜ起きるのかについて、その背景を探っていくと見えてきたのは、新型コロナに対する「見えない不安」でした。
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長引くコロナ対応生活により人とのコミュニケーションが希薄となる中で不安は増幅します。これまでは何かに行き詰まっても、友人や同僚らと仕事帰りに飲みに行く、遊びに行くことなどで発散できました。しかし、今はそうした機会が狭められ、人と会話をすることが減っています。自粛で周りの人に声をかけることがなくなり、会話がなくなったことで、多くの人がひそかに具合が悪くなっていることが危惧されるのです。
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「CIAMS(シャムズ)」を認識しないままで放置していると、うつ病になる危険性も指摘されています。特に高齢者はシャムズを悪化させやすいことが懸念されます。それを予防するには散歩などで気分転換をはかることが大切です。小さな変化に気付けるのは、その人と日頃親しくしている人たちなのです。不安は会話不足から生じることも少なくないので、身近な人の様子がおかしいと感じたら、とにかく声をかけ続けることが大切です。不安を和らげるのには雑談が有効に働くのです。
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