実は一番深刻かも・・・感覚のズレと脳の衰え

加齢でズレが大きくなる

段差などでつまずいた時に感じるのが、「足をしっかりあげたつもりだったのに・・・」というものでしょう。これは自身の感覚(イメージ)と実際の身体の位置がずれていることによって起こります。このイメージと実際のズレを年代別に計測した実験では、70代以上からズレが1.5cm以上になることが分かりました。

自分の歩き姿を見てみよう

この1.5cmとは、さきほど述べたように、振り出した足のつま先と床との間の距離と同じです。つまり、高齢によって感覚が鈍くなり、実際の身体とのズレが大きくなってくるとつまずきやすいことが分かったのです。鏡に映したりして自分の歩く姿を確認してみると、感覚(イメージ)と実際の身体とのズレを自身で認識しやすいかもしれません。

考えながら身体を動かせる?

脳の老化も憂慮すべき点です。考えながら身体を動かせる能力、いわゆるデュアルタスク能力が低下すると、転倒のリスクが高まるのです。脳の萎縮などで処理能力が低下すると、デュアルタスクが難しくなります。1つのことを行うだけでいっぱいになり、例えば、歩くことだけに気を取られて周りへの注意がおろそかになると、小さな段差に気づかず、つまずきにつながるのです。

オススメの運動

このデュアルタスク能力は、ちょっとした運動を行なうことで能力を向上させることができます。たとえば、足踏みをしながら前後左右の指示された方向に動くという運動です。身体を動かすと同時に頭も使います。さらに、左右の肩と腰、計4ヵ所のそれぞれに番号をつけて、足踏みをしながら指示された番号の部位を触るといった運動もオススメです。こうした運動を行った人とスクワットなどの軽い筋トレを行なった人について、半年後の転倒率を比べたところ、こうした運動をした人の方が転倒率は半分以下になったそうです。

    

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