世界最古の医療体系〜アーユルヴェーダ〜

生命の科学

新型コロナウイルスに効く医薬品は現時点では存在していません。ですから、私たち自身の身体が持っている防御システム、すなわち免疫力を強化することが大切です。そのことで注目したいものはアーユルヴェーダです。サンスクリット語で「アーユル」は「生命」、ヴェーダは「科学と知識」を意味します。

数千年の知恵

アーユルヴェーダの歴史は数千年と言われ、紀元前5〜6世紀に生まれたブッダがアーユルヴェーダの治療を受けたという記録が残っており、少なくとも2500年以上の歴史があるようです。アーユルヴェーダの古典医書は詩の形式で書かれていて、受精卵や遺伝に関することなど最新の医療機器なしには知りえないような知識も含まれています。

知識は体系的で緻密

アーユルヴェーダの知識は体系的で緻密なものですが、その理論は自然法則に基づいたもので、突き詰めると非常にシンプルです。例えば、「肌が乾燥」しているときに「乾燥しているもの(例えば、油ぬきの生野菜サラダ)」を食べれば乾燥が増すし、「油分のあるもの(例えば、肉や魚のスープ)」を食べれば乾燥は軽減する、といったことなのです。

シンプルな自然法則

このようなシンプルな自然法則をもとに、食事・運動・日常ケアの生活養生を行うことで、私たちはみな「自分で病気を予防し、健康を守り、増進すること」ができるとアーユルヴェーダでは考えます。世界保健機構(WHO)は、アーユルヴェーダを「独自の理論と治療方法を持つ、現存する世界最古の医療体系のひとつ」であることを認め、「心身の健康増進、病気予防に有効な伝統医療、代替補完医療」として推奨しています。

   

マガジン表紙へ