未知なるもの…不安はあって当たり前
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新型コロナウイルスに対して、手洗いやマスクなどの対策はもちろん大切ですが、同じくらい大切なのが精神面です。未知なるものに不安を感じるのは当然の反応ですし、人類は感染症と闘い続けてきた歴史を背負っており、未知のウイルスに強い不安を抱くのは仕方のないことかもしれません。
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不安を持つことが悪いことではなく、恐怖や心配が全くないと避けるべき危険や対応すべき問題に気がつけません。不安がないことの方が、不安があることよりも有害な場合もあります。例えば、自分は大丈夫と根拠のない自信にもとづいて、感染リスクの高い場所へ無防備に出かけたりする、などです。
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より健康的な生活のためには、不安を回避するのではなく、不安と適切な距離を保ちながら、不安が日々の生活を障害しないよう対処することが大切です。不安をなくすのではなく、不安と上手につきあっていくことです。知らないことが不安感を高めるのだとすれば、正しい情報の取得は不安解消につながるでしょう。人は理性よりも感情で判断を下す傾向があるので、未知なものを実際以上に危険だと判断してしまうのです。
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健康不安や全般性不安障害を持っている人は、しばしば感染症の脅威を過大評価し、人間の対処能力を過小評価します。ですから、新型コロナの急速な感染拡大と効果的治療の欠如、その両方を繰り返し強調する報道を見ることは不安の火に油を注ぐことになるのです。何が起きているのかについて、全体像をつかんでおくのは良いことですが、情報への接触をある程度制限することも必要です。特に、文書として記録されていないもの、出所の良く分からないものについては注意しましょう。
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