働き盛りよりも・・・実は60代以上の患者が多い

うつ病になりやすい人たちとは?

うつ病というと、仕事などに苦労をして患う人が多いと思われがちです。そして最近では、出産後や育児中の母親がなりやすいことが問題として取り上げられています。いずれにしても、30〜40代の働き盛りや忙しい盛りの人たちがなりやすいというイメージでしょう。

実は多い、60代以上の患者数

しかし、厚生労働省が発表している「うつ病の男女別総患者数」をみると、60代と70代の女性の患者数がいずれも10万人を超えており、患者数の中で最も多いことが分かります。じつは高齢者もうつ病になりやすい面があるのです。最近そのことが認知され始め、「老人性うつ」という言葉が言われるようになりました。正式な病名ではありませんが、65歳以上の高齢者がかかるうつ病の呼称として使われています。

老人性うつの特徴

高齢になると、環境の変化、加齢に伴う衰えや病気などが増えるため、うつ病になりやすいと考えられています。老人性うつと他の年代のうつ病に本質的な違いはありません。うつ病になると喜びの喪失、意欲の低下、思考力の低下が現れます。老人性うつ特有の症状としては「身体的不調」や「妄想」、「不安・緊張」があります。

身体的不調の問題点

老人性うつにかかった人は、若い人のうつ病と比べて、抑うつ気分のような精神症状が目立ちません。頭痛、肩こり、吐き気、耳鳴りなどの身体的不調を訴えることが多いのです。病院に行って検査を受けても体調不良の直接的な原因が特定できないこともあります。さらに、老人性うつの人には、そわそわと落ち着かないなどの「不安・緊張」も現れます。いわゆる抑うつ症状などは目立たないことも多いので、うつを見落とされがちになります。

   

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