「島時間」と「踊り」と「人のつながり」と・・・

「島時間」

沖縄に暮らす人々のストレス解消能力が非常に高いことが、調査結果より明らかになりました。“島時間”と呼ばれる彼ら独自の体内リズムが良いようです。この研究では、心臓疾患に起因する炎症性アミノ酸のホモシステインが少ないことから、沖縄の人々の心臓リスクが少ないことが判明したのです。

「カチャーシー」

沖縄といえば踊りを、三線の音色に合わせて独特なスタイルで手をひねる踊りを思い浮かべる人も多いでしょう。この踊りの大きな特徴は手のひねりですが、じつは体すべてを使う踊りです。「カチャーシー」は、「かき混ぜる」を意味する沖縄の言葉「かちゃーす」に由来しています。つまり、体をかちゃーす踊りが「カチャーシー」なのです。喜びや悲しみをすべてかき混ぜてみんなで分かち合いましょう、という思いが込められているのです。

踊りの効能

ある研究では、背中や首の痛み、うつ病、ストレスなどに苦しんでいた人たちに毎週ダンスレッスンを受けさせたところ、精神的にも健康になり、気分が高揚する効果があると判明しました。このほか、ダンスによって精神面に刺激を与え、年齢に関係なく認知能力を上げる効果も期待されます。ダンスは感情、運動感覚、音楽など異なる脳の部分を同時に刺激するので、脳の機能をより向上させることにつながっているのです。

つながりを再び

沖縄では家族とそれを取りまく地域でのつながりが特徴です。しかし、この家族と地域のつながりが近年薄れてきています。近年では単身世帯が増え、この10年間で単身世帯が約1.7倍に急増しているのです。薄れていく家族と地域をつなげることも重要な課題の1つです。踊りは沖縄の人にとっては生活の一部であり、祝い事といった特別な日に限らず、場がにぎわえば自然と踊りはじめます。踊りを取り入れた健康増進対策もすすめられています。

    

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