健康の秘訣は・・・昔からある「無尽」

「無尽」とは

山梨独自の文化として「無尽」があります。この「無尽」とは、月に1回程度、特定のメンバーで集まって食事や飲み会をすることです。その時に食事代とは別にお金を出し合って積み立てて、メンバーが順番に使ったり、グループの目的のために役立てたりすることをいいます。

無尽の歴史は古い

もともとは鎌倉時代に始まった、庶民同士の融資制度なのです。冠婚葬祭などではまとまったお金が必要となるため、困ったときにお互いに助け合える互助制度として発達してきたのです。それが今でも続き、お金の積み立てをしなくても一緒に食事をしたり、お酒を飲んだりしたりする習慣が今でも残っているのです。高齢者を対象とした調査では、無尽を楽しむ人とそうでない人とでは、1年後も元気でいる人が4〜6倍もの差があったのです。

長寿の地域に共通すること

健康と長寿を研究している科学者たちの間では、健康な人たちが多く住んでいる地域を「ブルーゾーン」と呼んで、世界各国の長寿の人たちが多い地域を調べて共通する習慣を特定しています。そのような要素がいくつか特定されていて、例えば、よく動く、適度に飲酒する、生きがいがある、社会的集団に属する、などです。

無尽には・・・長寿に良い要素

いくつかの無尽へ参加することもあるので、否が応でも動くことになります。そして、外へ出るきっかけにもなっているはずです。集まる際にはお酒を飲む機会もあります。自ら参加しているのですからそれを生きがいと感じ、もちろん社会的集団でもあります。つまり、無尽の文化は上に挙げた長寿に良い要素をすべて満たしているのです。

    

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