民謡と尺八で鍛える・・・呼吸と脳と口周り

伝承されてきた歌

日本には2万曲もの民謡があると言われています。民謡は昔の人々によって農業、漁業、その他の労働の場や、お座敷の場、盆踊りの場など、あらゆるところで自然に歌われ、口伝いで伝承されてきた歌のことです。こうした民謡を歌うことがじつは体にも良いことなのです。

腹式呼吸が良い

まず良いのがその呼吸です。民謡を歌うときには腹式呼吸をするからです。腹式呼吸では短時間に息を吸い、ゆっくり吐き出します。息を吸うときには交感神経が刺激され、息を吐き出す時には副交感神経が刺激されます。吐き出す時間を長くとる腹式呼吸では、副交感神経がより刺激されるので、体も精神もリラックスし、血圧や肩こりにも効果があります。さらにホルモン分泌や体の免疫力にも良い影響があります。

楽譜も歌詞も覚える

さらに民謡の特徴として、基本的に楽譜というものがありません。また歌詞もすべて暗記します。それらのことによって、脳細胞が活性化されるのです。また、好きな唄を歌うことで、ほどよい緊張感と達成感をもたらします。それによって、ドーパミンなどのホルモンが分泌され、認知症予防など健康維持に効果が期待されます。

楽器はより高い効果

民謡以上に高い健康効果を得られるのが楽器を使うことです。まず、腹式呼吸したり楽譜を暗記したりすることで、民謡と同じような健康効果が得られます。さらに、笛や尺八など楽器を吹くことで、唇の周りの口輪筋を鍛えられます。口輪筋の力が衰えると口呼吸になりやすく、睡眠時無呼吸症候群のリスクが上がったり、ウイルスに感染しやすくなったります。ですから、楽器を使うとこうしたことへの予防になるのです。また、メロディーを作るために楽器の穴を押さえるなどで指を使います。これが脳にとても良い刺激になります。

    

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