ジメジメが大好きな白癬菌・・・「水虫予防」

栄養源は角質層

ジメジメして蒸し暑い梅雨に気になるものといえば水虫です。水虫は白癬菌(ハクセンキン)というカビが原因で起こる感染症のことをいい、この菌は高温多湿な場所が大好きなので、梅雨の時期にその活動は最盛期を迎えます。その栄養源は皮膚の表面を覆っている角質層のケラチンというタンパク質です。

なぜ足の裏に水虫?

ケラチンの破れ目、つまり目に見えない傷口から侵入し、ケラチンを食べつくし皮膚を次々と侵していくのです。角質層は皮膚のいたるところにあり、どこに白癬菌がいてもおかしくないのですが、他の部分では角質層が1mmもないのに比べ、足の裏は数mmもの角質層があり、白癬菌には格好の住み家となるのです。さらに、靴や靴下を長い間履き続けると、蒸れて皮膚が汗ばんだ状態になり、白癬菌にとって最高に居心地の良い場所になります。

白癬菌は深部で生き続ける

水虫の薬はかゆい時や水泡が出来ている時だけ使ってもダメなのです。水虫は足の角質層の深いところに寄生しているので、表面だけ治ったようにみえても角質層の奥にしっかり残っています。角質層が新陳代謝で完全に生まれ変わるまで約1ヶ月かかるので、少なくとも1ヶ月間は薬をつけ続けましょう。

感染の経路

スポーツクラブ、プール、サウナ、公衆浴場などの温泉施設、ホテルや病院のスリッパなど、不特定多数の人が素足で出入りする場所は、どこにでも白癬菌がいると考えて間違いありません。さらに水虫の感染で最も多いのは家庭内感染です。外のそういった施設で水虫をもらってきた家族の1人が家族全員にうつしてしまうのです。バスルームの足ふきマットはもちろん、フローリングの床、カーペット、たたみ、スリッパ、寝具など、あらゆる場所に白癬菌が住み着くからです。

    

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