まず取り組んだこと ー塩分摂取量を減らすー

2013年に男女とも、長寿1位

長野県は現在では長寿県として知られています。2013年には男女ともに平均寿命が県別1位となり、最新の調査でも男女とも3位以内に入る長寿を保っているのです。しかし昭和40年代には、男性の平均寿命は全国9位で女性は26位と、それほど長寿ではなかったのです。

昔は多かった脳卒中

その頃、長野県の平均寿命が短かったのには死因が大きく影響しています。当時の長野県民の多くは脳卒中が原因で亡くなっていて、長野県の脳卒中の死亡率は全国1位だったのです。脳卒中の原因としては高血圧があげられ、その高血圧を引き起こすこととして塩分摂取量の多さが考えられたのです。長野県は四方を山に囲まれ、真冬は雪害に見舞われることも多いため、昔から漬け物などの保存食が重宝されてきました。

減塩の意識を高める

それを考えると塩分摂取量が多くなるのは仕方がないことでもあったのです。そこで、長野県は塩分摂取量を減らすことに取りかかったのです。減塩教室や減塩カレンダーなど、県民に減塩の意識を高めるさまざまな取り組みを始め、みそ汁は1日1杯、ラーメンやソバの汁は半分残す、漬け物は小鉢に1杯といった具体的な減塩方法を意識させたのです。

野菜摂取量が多いことも追い風に

以前に比べてだいぶ量が減ってはいますが、今でも全国レベルでみると長野県の塩分摂取量は決して少ない県ではないのです。それでも長寿県となりえているのは、摂取量は多くても体内に取り込まれる量が少ない可能性が指摘されています。それを裏付ける数値が野菜の摂取量です。実は長野県の野菜摂取量は全国1位なのです。野菜や果物にはカリウムが多く含まれ、それが塩分排出に役立つミネラルなのです。

   

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