子どもがスマホを見過ぎると・・・「斜視」リスク

急増する「内斜視」

急性内斜視の患者が増えています。昔からある病気ですが、それがここ数年で子どもや若者世代に3倍ほどに増えているのです。「内斜視」とは右眼か左眼のどちらかの視線が内側に向かっている状態で、急性内斜視とは突然発症する斜視のことを指します。急性内斜視との関係が指摘されているのがスマートフォンです。

子どもは眼の距離が近い

スマートフォンなどを長時間使用すると、斜視の発症や悪化を招く可能性があるのです。ある調査で子どもたちの普段のスマホ使用状態を調べたところ、スマホと目の距離が15〜20cmくらいとかなり近い距離でした。目は近い距離のものを見るときには、黒目が内側に寄る「輻輳(ふくそう)」という動きをしています。長時間にわたるスマホの使用は、その輻輳状態を固定してしまう恐れがあり、急性内斜視との関係が指摘されているのです。

子どもは近くを見ていても

年齢が若ければ若いほど、近いところを長時間見ていても疲れを感じません。ですから、子どもは疲れを感じずに輻輳運動を長時間してしまうことになり、急性内斜視の発症につながってしまうのです。特に注意が必要なのが、目の発達が十分でない10歳以下の子どもです。弱視になる危険がありますので、小さい子はより気をつけなくてはいけません。

常に心がけるべき

スマホ使用する際には、「30cm以上離す」ことと、「使用時間は1日4時間までにする」ことを心がけましょう。普段から寝転んで画面を見るクセがあると、左眼と右眼で画面までの距離に差が出やすく、片方の目に疲れが集中してしまうので注意しましょう。ちなみに、何かを見る際に両目より片目の方が見やすい場合には、斜視の前兆の可能性もあります。

   

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