命の危険も・・・「たかが咳」と侮るなかれ!

つい自己判断しがち

咳が出ることはよくあります。その咳が多少長引いても風邪をひいたかなと自己判断している人も多いでしょう。しかし、咳の原因は多岐にわたります。そして、見落としが致命的になる疾患もあります。たかが咳と侮るなかれ、なのです。

肺ガンと結核

まずは肺ガンです。喫煙していない人、家庭内に喫煙者がいない場合は、肺ガンの可能性はないと思っている人も多いですが、そんなことはありません。例えば、肺ガンのうち肺腺ガンでは喫煙者と非喫煙者とではリスクはそれほど変わらないのです。また、結核は過去の病気のように思われがちですが、いまだに年間3万人も罹患する病です、最近の傾向としては、高齢者もしくは都心部の人に集中して発生しています。結核の症状は咳や発熱で風邪と間違われやすいですが、発見が遅れて周りの人も感染してしまい集団発生がニュースになります。

COPD

最近では常識のようになりましたが、喫煙は呼吸器に多大な悪影響を与えます。長期喫煙者で咳が出ている場合、その多くがCOPDです。COPDは慢性閉塞的肺疾患のことで、有害物質に長期間曝露されることにより、肺が持続的な炎症を起こして呼吸機能の低下を起こした状態です。

大人も注意:喘息

喘息は子どもの病気と考えられがちですが、中年以降に発症することも珍しくありません。昼間に医療機関で受診しているときは、喘息に特徴的なヒューヒュー、ゼーゼーといった喘鳴(ぜんめい)が消失しており、診断できないことがあります。患者側も咳にだけ意識がいってしまい、喘息とは全く思わずに咳の症状だけを伝えていると喘息がみつけにくくなります。喘息はある日急に発症することも多いのです。胸が重い、音がする、夜中に息苦しい、痰がからむといった症状があれば、喘息もあり得ることを覚えておきましょう。

   

マガジン表紙へ